2013年7月14日日曜日

新旧



興味があってブリュッヘン指揮18世紀オケのCDを、録音の新旧で聴き比べてみました。
旧版はデッカ、新番はグロッサです。






彼の場合、全てにおいて、学究的に、しかし大変に素直な音楽をオーケストラで表現している
感じがします。

聴き比べたのはメンデルスゾーンの3と4です。
通常、音楽史的観点から名曲に過ぎる作品は避けるものです。
例えばベートヴェンの「運命」などは~。


しかしブリュッヘンかクライバーのみがこの現象には充当しません。
その作品の有名な恥ずかしさ?みたいな感覚が逆に全くありません。

専門家として聴いていると、両名のディティールの扱いに驚き、吸い込まれていきます。
スコアの読み込みが別次元なのだと思います。

無論、他の指揮者も読み込みはしていますが、上記二人について共通するには
レパートリーの狭さでしょうか。真逆なのは指揮技術のテクニックですが、結果的に
生み出される音楽とは無関係です。


先日、ティーレマンのレクイエム(モーツァルト)を衝動買いしましたが、まぁ何というか、
重いというか、うぎゃ~というか、長~いというか、要はブルックナーみたい、
と言うと怒られますか・・・。



さて、ブリュッヘンの場合はベートヴェンもレーベル別で新旧の録音を楽しめます。
クライバーはレーベルは2種に別れますが、凄い演奏が一種のみ残っています。


ところで、ストイックにテンポにこだわっていたブリュッヘンの演奏も、時を経て
録音される頃にはその限りではありません。加齢による魅力のひとつです。
逆に彼のアイデアが取り入れられ、忠実に再現されて隠れた魅力を引き出しています。

特に細かい音符の羅列の箇所とその前後、タイの連続とその前後(英雄)などは、
類をみません。

是非、ご拝聴下さい。




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