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私の演奏やセミナーは西へ西へと伸びていますが、島根、福岡に続く、夏の演奏会、バルセロナはコイバトの教会公演を無事に終えました。5年ぶり二回目で、緊張感は一回目よりも高まるのです。この教会に集まる方々は勿論ですが、どう楽しませてくるの?という厳しく優しい現地の人を納得させるのは一回目を越えなければならず、そう容易ではありません。
無事に終えて安堵するも、もっと出来なかったかという完璧主義は自分を悩ませます。勿論、途切れない拍手には感動しました。会場も3日間の貸し切りですので、音響も十分な筈です。
演奏しつつも幽体離脱して俯瞰で見るどこか冷静な自分との闘いでもありました。
誤解が多いのですが、私は舞台で喋るのは嫌いです。喋るプロではありません。演奏が全てです。しかし、聴衆はそうではないのではありませんか?なかんずく東洋人が何をどうするかは説明も必要でしょう。いくら落語やお笑いを勉強しても彼らには到底敵いません。
スペインという国ではカタロニアやバスクの民族問題がありますので、例えば、スペインに来れて嬉しい、などはご法度。これが演奏会の邪魔なのです。沖縄の方が琉球という意識にも似ていますか。要らんことを言いそうで怖いのですね。
本日は、にわかカタロニア語とスペイン着で挨拶してから英語での説明を付加しました。
日本でもそうですが、最近の人間の反応がいまいち分かりづらくなっていますので、これまた怖いのです。逆に、えげつない拍手の長さは、演奏を認めくれた証拠となります。これが欧州です。日本では、「次をどうぞ」と拍手を止めて下さいますが、こちらではこちらが止めます。
この行動は偉そうで恐縮なのですが、次の曲にいけないのです。
本当に貴重な体験でしたが、知り合いのKさんを取り巻くカタロニアの方々には深く感謝するばかり。驚くような謝礼を頂きました。皆さん良い人ばかり。終演したら前のカフェの方が「よかったわよ〜!」と手を振ってくれます。素敵です。
日曜市から教会を |
ついで、日本語を話すのが大好きなオルガンビルダーの若手コロンビア人のセバスティァン(32)と夜中までカフェで語った次第です。彼はKさんの弟子ですが、良い人の周りには良い人がいる説は間違いありませんね。コロンビアでデザイナーだったのですが、オルガンビリダーになるつもりでここの会社に勤めているそうで、今日は私のスマホで演奏を撮影してくれていました。
ここ二日、この「喋り」への緊張でよく眠れていません。そして今日は興奮で眠れないでしょう。プロの地獄です。出来て当然ですが、やる方は脳が錯乱し、下痢までする始末。宝くじが振って来て当選したらホームに入りますわ。
なくなった父が言った言葉「寝ないで死んだ人はおらんわ」を思い出します。
ひとまず、大事なイベントを終了。明日はバルセロナへ移動します。ここでラスト三日。わんちゃんの多いコイバトで、我が子のメリーに会いたくなりました。
今日の演奏をYouTubeにアップしようと思いましたが、現実との響きが悍ましく異なる映像と音響のため見送ります。それだけ時空間は凄い物だと思います。「生」でですね。
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