♫
本番当日
幸いずっと快晴。少々風があるが、かえってスモッグが無くて心地良い。
本番前日は早めに就寝し、しっかりと色々整えた。
で、午前中はお願いしてたこちらの楽器店「音楽園」さんの楽譜コーナーに。
昨日店主に店舗に行きたい旨話したら快諾してきれたのは良いが、ホテルから徒歩10分程だよ、って40分ほどかかった次第。
でも、毎年の要にここで譜面を仕入れる事にしている。えぐい数と安価な価格でも数万円はいってしまう。
覚えていた横の大型レストランでビーフン麺とタピオカドリンク。タクシーでホテルに戻り準備、休憩。
メンバーのチンインのママが送迎してくれるので2時半に移動。10分くらいです、で半時間。
3時からリハーサルを行った。
本番まで2時間半という私の嫌いな時間がナウであり、舞台での喋りを考えて集中力を切らないようにしている。
日本なら簡単な事がやはりまだまだ進まなかったりセミコンのピアノのソのダンパーがやられてたり、経験のない凄い譜面台だったり、お弁当をありがとうだが飲み物は無いやん、と不思議な出来事が枚挙に暇が無い。
しかしながらメンバーは若くてもプロとして個々鍛えられているためリハーサルで音楽はスムーズに進行する。準備系の方々があまり慣れていない様子だが真剣なのは確かだ。
長年、台湾に携わってきたが、平均値に慣れないのは正直なところ。大き過ぎる机、足の届かぬ便座、取れぬトイレットペーパー等等
素晴らしいことはそれでたくさんあり、リコーダーのレバルは相当で我々は若手の人数や育成では技術では完敗している。大変親切で気遣いも素晴らしい。
しかし、よくあるのは、やる気が凄く豪速球を投げてはデッドボールを繰り返したりや、無意味な敬遠多数、突然のコールドゲームなどもある。
精神的に準備していても無意味だったり、急な強制終了もあるわけだ。予定はほぼ未定だし。ホテル等の御札は怖いし、トイレットペーパーが背中にあるとか理解を超えた面白さがある。
慣れれば大丈夫だという素敵な日本語があったと思うが、全く慣れないのだった。
それでもその国でコンサートの前売りは順調なようで、台日の7名のリコーダーソロイスツに興味を持ってもらっている時点で成功はしているのかもしれない。
選曲も一般の方々に馴染みのある編曲物を挿入したので馴染みやすい筈。今回も台湾のカルテットが台湾人の作品を演奏するがそれが非常に難しい楽曲だ。
我々は最近人気のチャリンジャーのトリオを演奏する。
さて、かなり疲労して来ているがとにかくテンションを上げ、踏ん張って良い演奏と心地良い進行をしなければならない。
その後、嘘でしょという位の喝采を戴いた。地元のメンバーのおかげも割合として多くて慕われている先生もメンバーなのだというのがわかる。勿論、お客さんの期待と緊張感が凄く、我々もしっかり楽しいであろうプログラムをこなした。
個々の音程とイントネーションに特徴はあるものの、耳が良いのでダブリンしても大丈夫。ラフマニノフのパヴァーヌやラヴェルのヴォカリーズなども選曲していたが、心地良いものであった。
終演後、挨拶ロビーに赴いて驚くのはサインや写真はあるあるだけれども、日本語での多さであった。皆さん本当の親日で我々には少しでも日本語を使って喋ろうとしてくれる好意には暖まった次第。
リコーダー奏者を目指す生徒さんやその両親、指導者や学校の先生が多いのも特賞で、多分大合奏かソロしか経験がないところに珍しい本番を体験してもらえたと思う。以前教えたエンジェルちゃんという少女が挨拶に来てくれて、今はドイツで勉強中らしいので、いずれはメンバーに入ってね~等と言うと感激してくれていた。市場は多い都市で演奏するとレスポンスの凄さが違う。
終演後は打ち上げでお世話になっているリョウさんのバーにて乾杯。展示会出展者も全員。楽器製作家も全員聴いて下さったのだがえらくお褒め下さって何よりだった。音程には厳しいし、退屈かそうでないか、どうまとめるかなどについて色々お褒め戴いた。その後、若者と元気者を残し、日本からの竹山さんとホテルに戻る。別れて5分したら(痛んでいた扁桃腺のせいか)えぐい寒気が襲ってきた。強い薬を飲んで朝には回復したが、やはり強く無いのだと思う。
♫