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サプライズは好きで無く、相手の満足に付き合わされたりする時間かと思う性格の悪さが自分でもよくわかる。なまじ安い店で飲み会などやると、店内で曲が流れ、非常に嬉ばしくせねばならないのが苦痛だった経験があるからだ。ましてや年齢がもう若くない。サザエさんの波平などは54歳という設定だし、石原裕次郎は52歳で他界している。
今回は違ったのが、京都市立芸大の主に3回生が履修する授業での出来事。
普段通りに授業を進めていると、私のテキストへの合図の後に20名強の学生が急に「ハッピー・バースデイ」のリコーダー演奏をしてくれた次第。これには、いつ練習したのか、など、本当に驚いた。
専門家たちの集団なので、何調で何の音から開始、という連絡が回ったそうだ。
全く可愛いというか、素直に嬉しかった。相手は20歳頃であるわけで、しかも大学の演習授業での出来事。私が慕われているのではない。私がなついているのだ。
気持ちは若くいたいし、どうぞ可愛がって下さいね、などと言うと拍手をくれたりする。
結局、授業にはならず、トークに終始した。
しかし、こちらも策士であり、今後、君たちが舞台に上がる、社会に出てから、の用心や社会人のマナーを伝えておいた。変な人の扱い方、誘われたら断る方法、その他。満足したと思うのだが、楽しい時間だった。大学で楽しい必要など全く無いのだから。
芸術に携わる者が社会で傷ついたりしないように、それこそ教育機関の教員として役割を果たしたと思う。
今日からシニアである。
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