2016年7月4日月曜日

講習会Ⅲ



古楽演奏を専門としていると、演奏学以外にも多くの知識や高いスキルが求められます。
単純に、当時の楽器製作家の生涯や作り方、特徴を知る〜等もそうです。
誰が何年どこで活動し、どういう特徴のある楽器を製作し、演奏曲とリンクしていたのかを知る機会は少ないのです。

という分けで可能な時に遠方を私の近々の演奏者を集ってお越しいただき教えをこいているのです。

リコーダー製作をされている匠の中でも、なかんずくアムステルダム在住の名匠、斉藤さんは学者顔負けの知識と卓越した技術をお持ちです。





私は知識欲がある方なのか、出来るだけ彼からの多くの知識を得たいと思う方です。
生きた欧州情報も含め、楽器の特徴も傾向も多岐に亘ります。

例えば、当時の名匠ブレッサンやスティンズビー・シニア、ジュニアなどの「ロンドンスタイル」ライン。その他、当時の欧州の製作家と楽曲の関連性など。



ついで、我々は楽曲表現者側ですが、楽器の要となる楽器のヴォイッシングも見学させて戴きました。これは私の楽器を実際に、です。少しの作業で気に入らなく?なりもします。

浅い知識では絶対に触ったり関わってはいけない楽器の重要な箇所ですので、弟子の皆にも「見学」のみ、と進言。存外簡単そうに見えるのが非常に危険で、各名匠なりの理論に沿ったブロックのライン、というものを知る事が出来ました。

少なくとも医薬分業ならぬ、製作家と演奏家の世界のほど遠い世界を現実に見れた気がします。大学でも学べない深層に触れて少なからず興奮した充実した時間になりました。