2013年3月19日火曜日

プライバシー・セーフ





10年前の2002年、東京文化会館でのキース・ジャレット、ピアノソロの150回記念公演DVDの聴衆を数秒撮した瞬間に写りこんでいたわたくし (゚o゚;; 確か翌03年に発売され、今日まで幾度も視聴して来たのに、さっき偶然発見しました。
この公演はリリシズムの極地でして、失神するほどの強烈な記憶があるのですが、まさかの嬉しいアリバイ・・・。左横には妻も一部分写りこんでいるのです。
しかし、年月は残酷なもので、髭などは今や真っ白な自分でございます。







結局、究極の音楽的リリシズムはここにあるのやなぁ~と震えながら上野の歩道をキャッキャッ
言いつつ、闊歩した記憶が鮮明にあるくらい、この私の写りこんだ数秒後に演奏されたダニー・
ボーイの音楽的展開と音色は強烈な音楽体験だったのです。もちろんこの公演全体も。

ソロイストは孤独であり、自分のスタイルを確立し、技も磨かねばなりません。
ストイックな彼のスタイルは芸術のひとつの到達点だと思います。
そしてなによりピアノという完成された楽器がその象徴でもあるでしょう。


今年の5月にこれまた彼とベースのゲーリー・ピーコック、ドラムスのジャック・ディジョネットのトリオの日本最終公演(高齢による解散と予想)が、なんと私の誕生日に開催されます。

このトリオは分野などの概念が完全に吹っ飛ぶスーパーアンサンブルであり、四半世紀以上に
亘り、可能な限り追っかけて来ました。
極端なのは25年前、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールでも聴いた等です。


音楽的指標を失うつらさはあるものの、加齢によって悲惨な演奏を聴かされるよりは、存分に美学的だと思いますし、偶然に最終トリオ公演が誕生日にあたるなど、なかなか揃わぬファクターを逆に受け入れて当面の楽しみにしたいと考えています。



キースのソロは今後も続くのだと思います。