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京都芸大の講義クラスで「@@もも」ちゃん、という学生さんがいる。
素敵な本名で、至極まじめな学生さんである。
(私は非常勤なため「学生」とは言えず、「学生さん」となる。)
ももちゃんが、恐縮しながら、
「先生、今日は急な用事が入ってしまったので、@時15分に早退させてください」
「了解了解、そういう日もあるでしょう。気にしないでそれまでしっかり受講してね」
さて、バロックに於ける「リズムと拍」についてのペーパーを配布し、
授業がスタートである。
あれやこれやと私のつまらない講義が続くので、
たまに真面目過ぎるがあまりに、雰囲気が下げ下げになる事がある。
つまり、その日その時その瞬間、そうなったわけで、
これはいかん!手前の行動が17~8世紀の音楽嫌悪にまで影響を与えてしまいますがな。
でもって、ちょっと休憩がてらに「好きな食べ物」について考えてみようと、
またまたサンデル教授の如く、学生に問いかけをした。
「では、ももちゃんはどうですか?~~ももだけに?ももだけに?」
と、私はサンデル先生とは対極的に相当にレベルの低い関西独特の「ふり」をしたのであった。
思えばとても真面目な皆勤賞の@@ももちゃんは、回答に窮していわく
「ラ・フランスです・・・(搾り出して)」
「・・・・・・・・・なっ、なるほど、真の答えやね・・・・(汗)」
しかしそこは関西にある大学の学生諸君!
「おっ!洋ナシやん!ももちゃん、用事があるのに洋ナシってっ!」
「ホントやねぇ」
「おぉぉぉ!!」
専門講義室に響き渡るのはももちゃんへの賞賛の嵐である・・・。
この時、今までにない程に素晴らしい一体感が生まれた気がした。
人類皆兄弟!一体感万歳!焼肉定職!定年退職!早期退職!人間バンジー王さんがうまっ!
これからきっと素晴らしい合奏が出来そうだ。
そうだそうに決まった!!!
しかし、時空は残酷なもので、それでも時間は無情にもどんどん過ぎていく。
そうこうするうちに@時15分になり、ももちゃんは予定通りに次に向かって
荷物を片付け始めた。
「先生、すみません」←真面目な学生である。
「気にしないでね。また来週ね。ところで好きな食べ物は?」
「うっ・・・よ、洋ナシです」
扉の向こうに去って行ったももちゃん。
最後までピーチとは言ってくれなかったのでした。
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